骨壺を抱えたまま海に沈んでしまいたい、そう思いながら目覚めた。
5月も半ばになるというのに、僕はまだ毛布を手放せずにいる。
多香子さんは、どうして最期にあんな顔を見せに来たのだろう。
僕は考えない。考えてもわからないのだから。

昨夜遅く、多香子さんに会いたいという衝動に駆られた僕は、古いアルバムを眺めた。
いつでも手に入ると高を括っていた多香子さんの笑顔は、この場所にも残らなかった。
丑三つ時の流水音は(おそ)ろしい。何度聞いても慣れない。

この世の終わりに何があるとしても、それは僕に関係のないことだ。
僕に関係のある話なんて、どこにあるのだろうか。
「その虚しい思い巡らしの中に、あなたの不幸因子が潜んでいるのよ。」
多香子さんも、話を複雑にしたがる人なのだ。

僕はいつも週末にのみこまれ、本当に疲れてしまう。

始業時間まであと21分。
早く会社に「今週は背中が痛い」と電話をしなければならないのに、充電器を探す気力もない。







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